家庭とともにつくる園運営〜「伝える」「つながる」「参加する」から考える〜【オンライン園長交流会】

10月21日、オンライン園長交流会を開催し、全国から17園24名の園長先生方にご参加いただきました。

今回のテーマは、園と家庭の関係づくりです。2園の実践をもとに意見を交わしました。園の思いをどう届け、保護者自身が園の営みに「参加したい」と思える関係をどう築くのか。日々の保育の延長線上にあるこの問いを、参加者全員で考えました。

■理念から生まれる、家庭とのつながり

話題提供では2園から、それぞれの理念を土台とした取り組みをご紹介いただきました。

一つ目の園は、「親も子どもとともに育つ」という「親子共育」の考え方に基づいて取り組んでいます。
入園前には、複数回にわたる説明会の場で園の考え方を丁寧に伝えています。入園後も、学年別ごとに保護者同士が子育てや子どもの姿について語り合う会を設けるなど、対話を重ねています。発会当初は、保護者同士が話す場に馴染みがなく、参加者が3~4名ほどだったが、回を重ねていくうちに「気兼ねなく楽しく話せて気づきが得られる場」として認知され、学年の約半数が参加するようになったという変化が、取り組みの手応えとして語られました。

もう一つの園は、「子どもファースト」の考え方を軸にしています。
子どもたちの「やりたい」という思いを出発点に、大人も一緒に体験し、楽しむ。例えば、年長児の流しそうめんでは、レーンの完成品を用意するのではなく、親子で一緒に本物の竹を割り、組み立てる作業からともに汗を流しています。子どもの成長や喜びを、園と家庭が同じ場で分かち合う機会になっていることが紹介されました。

交流会で共有された主なポイント

① 伝える ── 理念をことばにし、対話を重ねる

園の保育の考え方は、一度伝えれば届くものではありません。入園前後の説明会や行事前ごとのねらいの発信など、さまざまな場面でことばにし、家庭と語り合う。そうした対話の積み重ねが、信頼関係の土台になるという視点が共有されました。園だよりや掲示だけでなく、直接語る場をどうつくるかという工夫も話題になりました。

 

② つながる ── 保護者同士、園と家庭の関係を育てる

園と保護者の一対一の関係だけでなく、保護者同士のつながりも大きな意味を持ちます。同じ園に子どもを通わせる親同士が語り合える関係は、園への安心感や、保護者自身の居場所にもつながっていきます。

 

③参加する ── ともに過ごす時間の意味を考える

行事への参加が保護者の負担になっているのではないか、という悩みも出されました。そのうえで共有されたのは、参加や協力の「量」よりも、子どもの育ちを中心に、園と家庭がどのような経験や喜びを分かち合えるかを大事にしたいという視点です。ともに過ごす時間の意味を、あらためて問い直す議論となりました。

■ともにはぐくむ、共感・愛着・信頼

交流会後のアンケートでは、「地域と協力した催しなど、自園でも新しい取り組みに挑戦したい」といった声が寄せられました。保護者同士の交流や親子で参加する行事など、具体的な実践にふれ、自園の取り組みを振り返るきっかけになったという感想も多くありました。

話し合いのなかで印象的だったのは、保護者に喜んでもらうためのサービスを増やすことよりも、子どもの育ちを第一に考え、園がたいせつにすることを実践していく、という考え方です。その姿勢への共感が、結果として園への愛着につながっていきます。

園と家庭の関係づくりに、決まった一つの方法はありません。園の思いを伝え、対話を重ねること。子どもの育ちや喜びを、ともに体験すること。そうした積み重ねが互いの理解を深め、共感や愛着、そして信頼をはぐくんでいくのではないでしょうか。

そのつながりは、在園中だけでなく、卒園後や地域へと広がっていく可能性もあります。子どもの育ちを中心に、園と家庭が手をとりあって歩んでいくこと。今回の交流会では、日々のかかわりの先にある、地域に根ざした園づくりへの視点も広がりました。

子どもたちのよりよい育ちを願い、日々の保育や園づくりについて語り合うこと。これからも研修会や公開保育、交流会などを通して、全国の先生方が学び合い、つながりを深める機会をたいせつにしていきたいと思います。

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