オンライン学習と「学びの現場」。主体性によって広がる学びを考える。

■オンライン学習の可能性と限界
未曾有のコロナ禍の下、休業を強いられた学校園において一躍注目を集めたのはオンライン学習でした。実施率はまだ高くはないものの、この度の危機をチャンスにして、これから一気に拡張していきそうな勢いです。
幼児教育でも、少なくない園がそれぞれの創意を凝らし、オンライン保育を配信されたと聞きます。ZoomであれYouTubeであれ、まだ新学期も迎えられない状況の中で、先生や友だちと画面で顔合わせできたよろこびは格別ものでしたでしょうし、それは園と家庭の信頼関係の太い絆にもなったことでしょう。
オンライン学習の最大の特徴は、時間や空間を選ばない自在さにあります。海外の一流大学の人気講義をどこでも受講できるし、双方向を使えば先生と生徒の個人授業も可能です。学校の立地する場所や、学習進度という時間に拘束されずに、学び手が主体的に学ぶことができる。AIや5Gなど新しいテクノロジーと相まって、ポストコロナには、これまでの教育を劇的に変革するといわれる所以です。
もちろん、オンラインこそ万能である、全ての学習がデジタルにかわるといいたいのではありません。語学やビジネススキルのように実益的なものはともかく、子どもがほんとうに学ぶため、生きていくための土台を形成するには「学びの現場」がなくてはなりません。オンラインで知識の獲得はできても、自己の主体性の確立や仲間との信頼関係などは、学校園における経験の質量がものをいいます。総幼研教育もその最たるものでしょう。ダイナミックな集団教育の運用や、日課活動のリズムやテンポは、オンラインで伝達できるものではありません。
また、オンラインでは自学自習が基本であることも忘れてはなりません。教育の価値を決めるのは、デバイスやテクノロジーではなく、「自ら学びにいく」学び手の主体性であり、まず幼児期にはそれにふさわしい意欲や心情、態度を育むことが先決でしょう。私たちが取り組むべきは、教育のデジタル化以上に、子どもがどんな局面に遭っても自律的に学び、最後までやり遂げる力(非認知能力)の芽生えを促すことなのです。

■主体性と質の向上
併せて、6月からはじまった総幼研のオンライン研修についても付言しておきましょう。3月の新任研から悉く研修会が中止のやむなきに至り、一部の研修は機能停止に陥ったのですが、今月からオンラインで実技や体育研修会の配信が開始されることとなりました。
代替策とはいえ、大きな変革といえるのではないでしょうか。遠隔地にあった会員園にとって研修の参加の機会が広がりますし、時間を選ばない園内研修での活用や、また職員が望めば自宅でもスマホ研修が可能となります。場所や時間に条件づけられていた研修会が、一気に開かれるのです。学びのあり方もかわります。どうぞ最大限のご活用をお願いしたいものです。
くり返しますが、オンライン学習は学びの自在を保証します。学び手の主体性、やる気次第です。その理路は、幼児であっても、園であってもかわらないと考えます。

 

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