
令和8年7月7日(火)・8日(水)の2日間、福岡県久留米市において「第40回園長研修会」を開催しました。
節目となる第40回のテーマは、
「2030年の幼児教育に挑む! ことばをはぐくみ、人を育て、社会とつながる総幼研教育 ―」
全国から48園71名の園長・管理職が参加し、「ことば」を軸に、これからの幼児教育や組織づくりについて学びを深める2日間となりました。
■ 全国の園長・管理職が集う学びの場
園長研修会は、総幼研が毎年開催している研修会です。
全国の加盟園の園長・管理職が一堂に会し、日々子どもや職員と向き合う立場から一度離れ、一人の「学び手」として最新の知見や他園の実践に触れながら、自園の保育や組織運営を見つめ直す機会となっています。

■「生きる力」としてのことばを問い直す記念講演
初日は、ノンフィクション作家・石井光太先生による記念講演から始まりました。
教育のデジタル化やSNSの普及によって、ことばが「単語化・短文化」していく現代。だからこそ、ことばは子どもたちが他者を理解し、自分の感情を大切にするために欠かせない「生きる力」であるというメッセージが語られ、参加者は、子どもたちを取り巻く言語環境や、保育者が日々紡ぐことばの意味を改めて見つめ直す機会となりました。

■公開保育から見えた「ねらい」を問い続ける実践
2日目は、荘島幼稚園において公開保育を実施しました。
荘島幼稚園園長の堤孝雄先生は、「うちは普通です」と繰り返し語られました。しかし、その言葉の背景には、長年にわたり一つひとつの活動の「ねらい」を問い直し、積み重ねてきた実践が息づいていました。
見学した先生方が特に印象を受けたのは、子どもたちの落ち着いた姿と、自ら活動を楽しむ深い集中力です。
参加者からは「4月入園からわずか3か月の最年少児(2歳児)の落ち着きと、活動を楽しむ姿に驚かされた」「透き通った歌声を聞いて、感極まった」といった声が寄せられました。
活動の一つひとつに込められた意図や、荘島幼稚園ならではのさりげない工夫に触れ、日々の保育を丁寧に積み重ねることの大切さを実感する時間となりました。
■保育と組織を支える「ことば」の力
午後の保育セッションでは、荘島幼稚園の先生方にご登壇いただきました。
子どもだけでなく若手職員も組織全体で育てる体制や、一人で抱え込ませない職場づくりについて実践が紹介され、その後のグループワークでは活発な意見交換が行われました。
続くシンポジウムには、中村学園大学短期大学部幼児保育学科教授・川俣美砂子先生、荘島幼稚園園長・堤孝雄先生、総幼研会長・秋田光彦が登壇。
荘島幼稚園園長の堤孝雄先生からは「国語力」の現状を踏まえた園での具体的な取組が紹介され、川俣先生からは、保育者を支える「ことばによるケア」や、自己評価における「言語化の力」など、保育者の成長を支える視点についてお話しいただきました。
最後に秋田会長は、「組織を動かすのは制度ではなくことばである」と総括しました。
分からないことを「分からない」と言え、困りごとを安心してことばにできる環境、一人ひとりの声が尊重されながらも調和する「多声的(ポリフォニック)」な職場文化が、2030年の幼児教育を支える組織づくりにつながることが共有されました。
■研修を終えての参加者の声
- ことばの大切さを改めて実感した研修でした。先生一人ひとりが発する言葉や子どもとの対話を大切にするために、園内研修で職員としっかり話し合っていきたいと思います。(幼稚園)
- 実際の保育現場を見学し、職員の皆様の生き生きとした表情や環境構成、理念が体現されている様子を肌で感じることができ、大変貴重な経験となりました。足を運んで本当に良かったです。(保育園)
- 新しい発見や疑問にたくさん出会いました。今後、なぜ?と考えを深めていくのが楽しみです。(保育園)

2日間にわたる園長研修会は、全国の園長・管理職が互いの実践に学び、自園の保育や組織づくりを見つめ直す貴重な機会となりました。
総幼研では今後も、公開保育や研修会、交流の場を通して、幼児教育に携わる先生方とともに学びを深め、一人ひとりの子どもの育ちを支える保育の実践につながる機会を提供してまいります。
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