「なぜ」から保育を見つめ直す——令和8年度 夏期総合セミナー

724日、総合幼児教育研究会では「令和8年度 夏期総合セミナー」を開催しました。

全国の園から100人を超える先生方が東京に集まり、未満児、段階的保育、行事、探究、AI活用をテーマとした5つの分科会と、2つの全体会を実施。「なぜ、この活動をするのか」という問いから、これまで積み重ねてきた保育を改めて見つめ直し、それぞれの実践や考えを持ち寄りながら語り合う一日となりました。

ここでは、プログラム全体を通して得られた気づきを3点、ご紹介します。

学びの中から生まれた気づき

① 見る目を変える

全体会で行われた秋田光彦会長の講演「『ねらいのねらい』を考えよう」では、目に見える成果としての「手前のねらい」と、その向こう側にある子どもの人間形成につながる「ねらいのねらい」について語られました。

その一例が、お泊まり保育の夜、誰かが乱したスリッパを、一人の年長児がそっと揃えた姿です。「スリッパを揃えられる」という成果だけでなく、その奥には、乱れに気づくこと、みんなが使う場所を思うこと、自ら行動することがあります。

「できた・できなかった」だけで終わらず、その向こうにどのような育ちがあるのか。見る目を変えることで、日々の何気ない姿から見えてくるものも変わってきます。

 

 

② 余白をつくる

行事について考えた分科会では、「行事に取り組むにあたって、過剰になっていること」を付箋に書き出しました。すると、先生方から想像以上に多くの意見が集まりました。

よりよい行事にしたいという思いから積み重ねてきたことも、改めて「本当にここまで必要なのか」「何を大切にしたかったのか」と考えてみる。すると、何かを削っても本来のねらいは失われず、むしろ大切にしたいことが、よりはっきりと見えてきました。

手放すことで生まれる時間や心の余白。それが、子どもも先生も日々の活動を楽しむことにつながっていきます。

 

③ 語り合う

今回のセミナーでは、初めて顔を合わせた先生同士が、それぞれの園で大切にしていることを率直に語り合う姿が各会場で見られました。

園が違えば、環境も、子どもたちの姿も、保育の方法も異なります。だからこそ、「どちらが正しいか」ではなく、「なぜ、そうしているの?」「なんでそう思ったの?」と、その背景にある思いやねらいに耳を傾ける。

違いを正解・不正解で分けるのではなく、互いの考えを知り、新たな視点を得るきっかけにする。そんな対話は、それぞれの園の職員室にもつながっていきます。異なる考えに出会ったとき、すぐに答えを出すのではなく、まずその理由に耳を傾けてみるそうした対話の積み重ねによって、「違い」は互いの保育を見つめ直すきっかけになります。

「これでいいのか」「もっとよくするには」と問い続けることに、決まった答えがあるわけではありません。だからこそ、それぞれの実践を持ち寄り、「なぜ?」を重ねながら考えていくー。その積み重ねが、それぞれの園の保育をよりよくしていくことにつながるのではないでしょうか。

総合幼児教育研究会では、子どもたちの育ちにとって何が大切なのか、これからも全国の先生方とともに、問い続けていきます。

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