総幼研の園の先生へ。
パドマ幼稚園の入園志願児の保護者面接をしていて、面接官の私から子どもの成長ぶりを訊ねると感極まって涙する母親が少なくない。うれしいのか、愛しいのか、切ないのか、感情はさまざまだが、私はその根底に〈祈り〉があるからだと思う。
哲学者の内山節さんは「家族はお互いの幸せを祈っているから家族でいられる」と言う。祈りは、祈られる存在があって初めて成り立つ。だが、私たちはその感情の多くを制度やサービスに預けてしまい、忘れかけているのではないか。あるいはあれほしい、これほしいというただの欲望を、祈りだと勘違いしているのではないか。そう思うと、子どもは、私たちの中から、祈りという根源的な感情を呼び起こしてくれる希有な存在なのだ、と思う。
そして、もうひとつ、介護する者が、介護される者からやさしさや尊厳をもらうように、親もまた、子どもから祈りを授けられているのではないか。愛してほしい、支えてほしい、どんなことがあっても守ってほしいと、言葉にはならないが子どもは生命を賭して祈りを発しているのである。
親がそうであってほしいように、私たち総幼研の教師も、そういう〈祈り〉を生きる人でありたい。そう思う。
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