「自然体」は放っておいて育たない。健康な足形をつくる。

 東京のある小学校の調査で、足の指が地に着かない「浮き指」の児童が8割を超えたといいます。扁平足の子どもも指摘されていますが、現代の子どもの姿勢に異変が起きています。
 小学校の朝礼(15分)で、まっすぐ立つことができず、上半身をふらふらさせ、挙げ句に気分がわるいと訴える児童。体の重心を後部にかける不自然な姿勢は、体力や意欲の減退にもつながります。
 理由はいろいろいわれています。乳幼児の時にハイハイやつかまり立ちしていない。歩く距離が短い。足の指を使う活動(おしくらまんじゅうとか相撲などは、我々の子ども時代の遊びの定番でした)をしていない等々、あるのですが、これも生活環境や習慣の変化が要因ですから、なかなか避けられない。ならばこその対策が必要です。

 さて、今朝も、パドマ幼稚園の朝礼が始まりました。時間は20分ですが、2歳から5歳まできちんと立っていることができるのはなぜでしょう。園児はみなはだか、はだし。直立不動とはいいませんが、幼児なりにまっすぐ姿勢を保っています。ひとりも中座する子どもはいません。
 はだしで一日生活をしていれば、足指を使う場面がいかに多いかわかります。歩行はすべてそうですが、階段の昇降、座席からの起立、いやあらゆる教育活動において、足指は自在に「活用」されます。
 例えば、パドマの体育レッスンでは、3歳児で「ワニさん歩き」「きりん歩き」などを試みています。肋木(ろくぼく)。平均台。登り棒。登り綱…すべてが足指の発達に関連がある。その機会を計画的に設け、子どもといっしょに楽しく経験できる、という点に幼児体育のねらいがあります。
 少子化が進み、また安全意識が変化して、屋外で群れ遊びをする機会が激減しました。遊園地は子どもには楽しいところですが、足指を使うようには設計されていません。足の指に力が入らず、土踏まずが育たず、運動能力が伸びず、やがて軟体動物のような身体になってしまう。それは、意欲や忍耐の力、生きる力の減退を意味しています。足形にこそ幼児教育を!そう思わないでいられません。

 教育学者齋藤孝さんは、名著「身体感覚を取り戻す」で、明治以降の日本人の立ち姿の推移にふれながら、こう述べておられます。
 「〈自然体という感覚〉が単純な意味での自然ではなく、鍛錬の要素をふくんだ身体文化であることを認識…〈自然体で立つ〉ことは、生活習慣によって培われた身体文化であり、技だったのである」

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